医師が留学をするためのメジャーな方法は3つある。
留学するための主な方法
- 医局を通して海外留学
- 沖縄県立中部病院などの海外の病院とのつながりのある病院で研修する
- USMLE(アメリカの医師国家試験)を受ける
1.の医局を通しての留学は「研究留学」がほとんど。
「臨床留学」はあなたの所属する医局で実績を作ったのちに、
紹介で臨床留学するケースもあるかもしれませんが、極めて狭き門です。
研究留学は日本の大学院の博士課程で博士号を所得したのちに、
所属する大学医局の紹介で海外の研究機関に留学される医師が多いです。
しかし私の知り合いの医師の話だとカナダとオーストラリアについては、
最初に日本の医局を通して研究留学をしたのちに、現地でレジデントなどの試験を受け、臨床留学した先生方がいました。
英語圏のなかでもカナダとオーストラリアは日本の医師免許のみであっても実績や実力があれば融通がきく国なのかもしれません。
3.のUSMLEの所得は、海外で臨床をするには最も有名な方法ですね。
アメリカ以外にも、国ごとの医師免許の取得法は以下のホームページが詳しいのでご参照ください
前置きが長くなりましたが、ここからは上記の3つ以外の手段で留学する方法を書きます。
国際学会に参加してコネを作る
あなたの専門分野の国際学会に参加してコネを作るには
ステップ1 あなたの留学したい国で開催されている国際学会に参加する
ステップ2 あなたの留学したい医療機関が出している演題を探す。
できれば教育講演を行っている演者がよい
ステップ3 演題終了後、もしくは一番いいタイミングは懇親会の時に、
その医師に話しかける
ステップ4 名刺交換をし、病院を見学したいことを話す
ステップ5 後日メールで日程調整などのやり取りをする
※ただし、日本で国際学会が開催され、目星をつけてる海外の医療機関がそこで発表していれば、日本の国際学会でも構いません。
経験上、短期の病院見学を断られえることはほとんどありません。むしろ大歓迎といった反応ばかりでした。
上記の5つのステップを経て、その病院で見学をさせてもらった結果、
もしもあなたがその施設を気に入ったら、長期での研修の受け入れを打診するとよいでしょう。
ただし無給ですし、医療行為は行えません。
ですが、カンファレンスへの参加、外来見学、病棟見学などはできるので、これだけでも貴重な経験になります。
私の場合は、ある分野の権威で、論文や書籍を通して尊敬している海外の医師がいました。
私が参加した国際学会にたまたまその医師がいたので、懇親会で話しかけ、
その医師の書いた論文や疑問に思っていたことを質問したり、日本の現状や他国との違いについて話しました。
そして私はこの時あるお願いをしました。
「あなたが働いている病院で治療を見学したい」と。
しかし、その先生は指導者として各地を飛び回っているため、現在は臨床にほとんど関わっていないとのことでした。
そのため、その先生はいないけど、他の病院を紹介してくれるということでした。
そして後日、お礼のメールと、施設の紹介のお願いをしたところ、3人の医師から直接私のところに、いつでも見学の受け入れが可能との
メールが届きました。
一度の休みで多くの施設は回れないため、長期休暇を利用して2か所の施設を後日見学に行きました。
海外の大学院を受ける
アメリカのUSMLEの試験をパスするよりは、ハードルは低いです。
ほとんどの大学院は書類選考(履歴書や推薦文)と英語の試験結果の提出です(米国系ならTOEFL、英国系ならIELTS)
海外の大学院入試は日本のような筆記試験はほとんどありません。
書類選考(推薦状、大学の成績、過去の経歴や実績)とTOEFLかIELTSで基準に達していれば合格します。
TOEFLは100点以上、IELTSは7.0以上を要求される大学院が多いです。
要求される英語力は結構高い水準ではありますが、現地の授業についていくにはこれぐらいはないと厳しいでしょう。
大学院によっては現地での面接、もしくは電話での面接があります。
海外の大学院はだいたい2年のプログラムです。
大学院で授業や研究に没頭している人もいれば、大学院のツテで医療機関を見学している医師もいました。
まとめ
以上、医局などを通さずに海外留学する方法として、国際学会に参加してコネを作る方法と海外の大学院に行く方法を紹介しました。
特に国際学会に参加して、そこでコネを作って海外の医療機関を見学するのは、他の手段に比べると結構手軽にできるので、おすすめですし、上手くやれば長期での留学も可能になります。